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大統領就任式の裏通り
一昨日の1月21日には今後アメリカの歴史を語る上では絶対に欠かせない、世紀の大イベント「オバマ新大統領の就任式」があった。
就任式やパレードに関しては日本でも実況生中継や何やらで、これでもかと繰り報道されていると思うし、アメリカ在住の他のブロガー様たちもこぞって書いていると思うので、わたしが今さら書く必要もないでしょう。 しかも、就任式もパレードも見に行かなかったし。。。 現場から非常に近い場所にいたものの、仕事だし、そもそもチケット持ってないし、記録的な寒さの中で数時間もたちっぱなしでゴマ粒みたいなオバマ夫妻見ても仕方ないし。。。。(言い訳言い訳) でも実は、数日前から繰り返し流れていた当日の厳しい交通規制や道路閉鎖の情報から、うちの職場は前日夜からみんな職場に泊まり込んでいたのです。 NYからアムトラックで帰って来る過程で、通常なら3時間半ですむ乗車時間がなんと1時間以上も余計にかかった。あげくに、DCのユニオン駅に列車が入る前になぜか30分も止められ、ようやく到着した駅周辺は完全に車両進入禁止。 そこらじゅうにあふれてぶらつくおのぼりさん達を蹴倒したい気分を抑えながら駅エリアの外側まで歩いて、たまたま誰かが目の前で降車したタクシーをもぎ取った。 普通ならアパートまで一直線の道、ものの10分で到着するのが、就任式前夜のパーティーやらコンサートやらで市内中が交通規制で、ぐる~っと大回りしてようやくアパートに到着。荷物を置くと、再び部屋を出て、普段とは大違いに人が溢れる夜のDCダウンタウンをとことこ歩いて職場に入り、そこで一夜を明かしたのだった。 もともと「自衛隊出身ってことは・・・体力ありますよね?」って念を押されて採用された仕事だけど、さっさと元自の経歴がいかんなく発揮されている・・・。 そして、一夜明けて21日の朝7時。 床に敷いて寝ていた野外用簡易マットからのそのそと這い出し、まずは窓の外を確認した。 就任式・パレード地域に入るためには数ヶ所だけもうけられたチェックポイントを通過しなければならず、大抵の人たちはすぐに連邦議会の真向かいに広がる「National Mall」に南東側から入るはずなので、Mallの北西、ホワイトハウス裏に位置するこの職場近辺まで到達するには、少し時間がかかるだろうと思っていたら。。。 すでに、歩いてる人たち発見。 この時間に歩いてる人たちは、間違いなくほぼ徹夜状態でゲートの前に待っていた「とてもやる気のある人たち」に違いない。 なんと5~6歳ぐらいの子供たちまで手を引かれてとことこ歩いているファミリー主体のこの第1集団は、圧倒的に黒人の人たちだった。 そして。。。 ![]() まだ、日本の歩行者天国で普通にありそうな人ごみ、観光客で溢れるNYの五番街ならこれより混んでるかも・・・程度だった、人の波は・・・・ ![]() あっという間に、ぞろぞろ、 ![]() ぞろぞろ、ぞろぞろ、ぞろぞろぞろ・・・・ ![]() うわ~!!! すっごい!!! ![]() ![]() 推定200万人の見物客の「ほんの一部」、National Mallの南東地区へのルートがキャパ一杯で閉じられた後に、北西からぐる~っと回って入ることを余儀なくされた人達の群れ。。。だそう。 ![]() 風や雪が降らなかったからよかったものの、当日の気温は零下10度近く。 今冬でも一、二を争う寒さの朝、事前に「零下の気温で最低2キロ歩く体力のない人たちは来ない方がいい」という通達(警告?)が出ていたほどだとか。 早朝の徹夜組らしき人たちの格好は、もうコートの上からマフラーや毛布までぐるぐる巻きで、即席ホームレスのような大集団が黙々と同じ方向に歩いているのは、いっそ不気味だった。 ![]() もちろん、2キロ行軍が終わったらそれでおしまい♪ではなく、彼らはこの後数時間、寒空の下立ちっぱなしで就任式を待つ運命。 ![]() ちなみに、この就任式の後の昼食会では老齢の議員(一人はケネディー議員)が二人も寒さと疲労で倒れるというニュースまで起きた。 式の直前までは温かい室内にいて、式の間も座っていられた人たちでも倒れるのだから、徹夜明けの上に2キロ行軍した後4~5時間立ちっぱなしで待っていた人達の執念と気力たるや、想像を絶するものがある。 その執念の原動力こそが、オバマ大統領なのだ。 さて、約1時間遅れの3時半から始まったパレードは最初のうちは大統領夫妻が車に乗ってゆっくりと進むだけなので意外と退屈で、ちょっとルート近くを歩いて現場の雰囲気だけでも味わおうと外にでた。 ![]() パレードの最終地点、観閲台を裏から見るとこんな感じ。こちら側の台は主に報道機関用。 ![]() 就任式の前の慣例として大統領夫妻が礼拝をする『St. John's教会』は先日まで新大統領家族が住んでいた『Hey Adams』ホテルの向かい側。 外側がべたっとパステルイエローなので、他の歴史的な教会に比べるとあまり外観に荘厳さは感じられないので、そのまま通り過ぎてしまいそうになる。 ![]() この日この人ごみにあわせていろんな団体やグループが来て、ビラやパンフを配ったり、デモンストレーションをしていたけど、これもその一つ。 ![]() 早朝から人ごみとともに入ってきたオバマ・グッス売りの人たちもそこらじゅうで商魂たくましく店を広げている。 NYと違うのは、人ごみにしても物売りにしても、圧倒的にアジアンの姿が少ないこと。ほとんどが白人か黒人かの二極両端で、ラティーノ系すらもかなり少ない。 DC自体がそんな感じで、ここにいるとアメリカに来て初めて「アジアンは全人口のほんの数%しかいない、圧倒的なマイノリティーである」という事実を実感する。 ![]() なにやら塀の上の少しでも高い場所にずらりと並ぶ人々。 ![]() このようにフェンスでパレードルートに通じる道は完全に封鎖され、チケットを持っている人たちだけが中に入れるようになっている。 そのチケット保持者ですら、早めに来なかった人たちは「キャパいっぱい」と閉じられたゲートからもはや入ることはできず、こうしてフェンスの向こうから少しでもパレードの様子を見ようとここに集まっているのである。 ![]() 白いテントがチェック・ゲート。 そのむこうに見えるのが階段状の観覧席とラッキーにも入れた人々。 左に見える建物は財務省で、ここからが前の記事で写真をのせたホワイトハウス裏側のパレード最終地点。 この後、オバマ夫妻が遂に車を降り、観衆に手を振りながら歩いたのは、まさにこのゲートの向こうのあたりからだった。 さて、この日一番目を引いたのが、こちらのグループ。 ![]() まだ朝の早い、人ごみがそこまで溢れていなかった時にひときわ目を引くオレンジの服。 ガンタナモ・ベイの捕虜収容所に対する抗議活動のグループである。 この姿で街中を黙々と歩いていたのとは全然関係なく、だろうけど。 あっという間に静けさが戻り、まったく通常通りのようなDCのホワイトハウスで今日1月23日、オバマ大統領は「ガンタナモ・ベイ収容所閉鎖」にサインをしたのだった。 何が正しくて、何が間違いかはよくわからないけども。 どうか、アメリカが、どうかよい方向に向かっていきますように。 人々が憧れた「良きアメリカ」が戻ってきますように。
by yaezakura6024
| 2008-01-23 23:49
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